ねえ、
反射的に後ろを振り返ると、そこにはみたことない男がたっていた。
「!?」
びっくりしすぎて思わず腰を抜かしそうになってしまった。
「はは、やっと気づいてくれた」
男は嬉しそうににこっと笑う。
男っていうよりも、男の子っていうほうがふさわしいんじゃないかってくらい、ふわふわしている。
でも身長は自分よりも高いし、きっと同い年くらいだ。
なんて、冷静に分析している場合でもないのだけれど。
「だ、れ?」
「んー、いまは秘密」
「なにそれ、ふざけないでよ。人の邪魔しといて」
「邪魔ってなに?人の命がひとつ消えようとしているのをとめることは、邪魔になるの?」
「それはっ」
そんな正論、いわないでよ。
「僕はキミに生きていてほしいと思ったから、だから声をかけた。それだけ」
そういうと目の前にいる男はまた笑った。