ねえ、
「あやめ、ごめん」
案の定でてきたあやめに僕は謝ることしかできなかった。
こうなることを知っていたのに教えなかったのは、規定はもちろんだけれど、あやめを守るためでもあった。
もし知ったあやめがその時間高坂雫と一緒にいてしまったら、かわりにあやめが刺されてしまうかもしれないし、逆に全く違う場所にいて全く別人が死んでしまったら、それは世界が歪んでしまう。
そして、ここであやめが高坂雫の後を追って死のうとすることも世界が歪む原因になってしまう。
「僕は、あやめに死んでほしくない。ただ、それだけのために未来からきた」
「なにそれ。なんで天使くんがそこまでするの」