ねえ、

「すきだから」

「・・は?」

「あやめのことが好きだからだよ」

「意味わかんない。こんなときに」

「うん、ごめん。でも本当なんだ」

「だってわたし天使くんとまだあって3か月だよ?話したのだってほんの数回だよ?」

「うん。でも僕は未来のあやめに恋してる。だから今ここであやめが死ぬことはあってはいけない」

「そんなこと言われても困る。それにわたしはあの日死ぬはずだったの。あの日死んでたら、雫はもしかしたら死なずに済んだかもしれない。未来なんて、今のわたしには存在しない」

「お願い、あやめ。生きて。ただそれだけいまはそれだけでいいから」

なんて自分勝手なんだろう。

親友が死んでしまったのに、僕が好きだから生きてほしいなんて、そんなのおしつけにもほどがある。


でも大丈夫。

僕がその親友のかわりになるから。


その言葉はいえないけれど。

< 44 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop