横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
「こんなのかわいそうだよ」

あたしは半泣きで言った。

確かきれいな顔で、
柊にぃに似てた・・・


「いいんだよ」

柊にぃは言う。



「その写真、塗ってるとこを
 おばあちゃんに見つかったんだ。

 おばあちゃんは言ったよ。
 
 それぐらい、いいさ。
 あの女がお前にしたことに比べりゃ、
 たいしたことじゃない。

 おばあちゃんは
 
 そう、言ったんだ」





あたし、

柊にぃのこと
わかってるつもりだった。

本当は何も知らないんだ。

目の前にいる柊にぃが
知らない人に思えた。




そのほほえみに隠されてた影。

なぜ今まで

気が付かなかったんだろう。
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