横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
ぽっち山とは
正式名称「大見山」

この町のはずれにある低い山で
丸いお椀をふせた形をしてる。
上にテレビ塔があり
夜になると赤く光る。

やわらかな形状はおっぱいみたいで
テレビ塔がチクビ。
そのせいなのか誰ともなく
ぽっち山と呼んでる。

ぽっち山の山頂まで
ドライブウェイとなっていて
上の展望台からは
街を見下ろすことができる。


「それいいね、オレ久しぶりだ。
 ぽっち山」

「あたしも〜!
 小さい頃の遠足以来だァ」

うねるドライブウェイを通り
ワーゲンは機嫌をそこねることなく、
山頂についた。



ちょうど夕日が沈もうとしてる。

街は一面桃色に染まる。

「柊にぃ、きれいだよ〜!」

あたしは車をおりて
桃色の中の自分の家を探した。
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