横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
あたしは平静をよそおうとした。

でも唇がふるえる。
おもわず目をふせた。


「どうしてあたしが
 知ってるって思った?」


「オレの目を見なくなった」


そうだな、その通り。
柊にぃはするどい。


「誰に聞いたんだ?母さん?」

「ううん、パパに
 直接会ったんだ」

「そうだったのか…」


柊にぃは
街をながめながら話す。


「本当はずっと事実を言いたかった。

 オレ、兄じゃあないんだよって。

 でもお前のその笑顔を
 壊してしまいそうな気がした。

 そばに寄ってきては甘える。
 それは兄妹だから。

 兄でなくなったら
 慕ってくれないと思った。

 実際、オマエは事実を知ってから
 よそよそしくなってしまったし」


違う、違うんだってば!

言いたいけど言葉にならない。



あたしは好きだったから。

だから、だから…
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