横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
「なんかぶっちゃけると
 オレ、もう自爆な気分。

 だから言う。

 どのみちもう
 元に戻れないんだったら
 言っておく」



夕日の逆光がまぶしくて
柊にぃの表情がわからない。



「オレ、瑠璃を
 妹としてみたことなんて

 一度もない」




「どういうこと?」

あたしは柊にぃの言葉を
よく飲み込めない。



「ひとりの女だと
 ずっと意識してた。

 瑠璃の匂い

 瑠璃の声

 瑠璃にさわるときは
 オレは男の手でさわってた」


そう言って柊にぃは
あたしの手を握った。

あたしの心臓は
破れるかと思った。




「ずっと、ずっと

 瑠璃が好きだった」
< 109 / 244 >

この作品をシェア

pagetop