横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
柊にぃの手を
両手でつつんだ。

細くしなやかな指。

あたしはこの指を
自分だけのものにしたかった。



いつも・・・

ほんの少し先にあったもの。
手が届きそうで
届かなかった。

それが今、目の前で
あたしを受け入れようとしている。



「柊にぃ…」


涙がこぼれる。


「いっそ、ウッシーと
 くっついちゃえばいいって
 ヤケクソでそう思ったけど
 でも、ダメだった。オレは…」

言い終わらないうちに
柊にぃの胸にとびこんだ。



何もしゃべれない。

のどが熱い・・・

ためてた何かを吐き出すように



あたしは泣いた。




柊にぃ


柊にぃ…
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