横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
「なんだ、そうかぁ。
 メールで言ってた子かな?と。
 似合ってると思ったんだけどな」

「確かに・・・
 メールで話した子です。

 でも友達のままです!」

ついついムキになる
自分が悲しい。


だって…

せっかく柊にぃと
うまく行きそうなのに
変なうわさが出ると
こまるしぃ…

川岸を見ると
柊にぃはタープの下で
寝ころんでいる。

ウッシーにも
ちゃんと言っておこう。


でも、なんて言う?

柊にぃと付き合ってるって?

それはマズいっしょ。。。


あたしは水に潜って
息をとめて考える。

無音の水中は
太陽の光がキラキラ輝く。

このまま魚になって
いつまでも泳いでいたい。

手にふれた幸せは
つかんだ水のように
するりとこぼれ落ちそうで
もう二度とこんな夏は
あたしには訪れないんじゃないか、

そんな不安がよぎった。
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