横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
柊にぃ?


柊にぃはテントの近くの
たった1つだけの街灯の下にいた。

 あたし、ちゃんと
 ウッシーに話したよ。

そう言いたかった。

柊にぃの顔を見る。

その表情は固まって
街灯のせいか顔が青い。


「柊にぃ・・・顔色悪いよ」

「ん?ああ、腹が痛いせいかな」



あたしは柊にぃの隣に座った。


「もう終わったのか?」

「ううん、先に帰ってきた。
 なんか柊にぃが気になって…」

「気にせずゆっくりしてくればいいのに」


柊にぃが無理矢理笑顔を作った。

そんな青い顔をして
ここで何を考えてたんだろ?

視線の先を追うと
バーベキューの残り火が
赤々と燃えていた。
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