横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
飛べない鳥たち

・しのびよる魔の手

キャンプの日焼けが
肌に残ってる。

日焼け止めを
何度もぬって
気をつけていたのにぃ〜

まああれだけ
泳いだら焼けるよね。



あたしは楽しかった
キャンプを思い出してた。

野外フェスは3日間ある。前々日から設営を手伝い、柊にぃは片付けも手伝うので7日目に帰ることになる。


今日は6日目だ。

明日には柊にぃが帰ってくる。


1週間離れただけなのに
こんなにさみしいなんて。

山頂で抱き合ったことが
ウソみたいだった。



柊にぃの体…

肩、背中、腕…

もっとさわりたい。

この手に触れて
実感したい。


あたしのものだって…



夏の終わりの昼下がり、あたしはそんなことを考えながら、クーラーの効く涼しい部屋で寝そべっていた。
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