横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
うちの家は古い。
昭和なつくりだ。
玄関は引き戸で、
ガラスごしに来客者が
うっすら見える。
「漏電?
うち漏電なんてしてませんけど」
「おばあさんに電話もらいました。今日のお約束だったんでちょっと見せてください」
訪問者は、青の作業服っぽい服を着ているのが見えた。
その服と
[おばあさんに電話]
という言葉に
気をゆるめてしまった。
カギを開け、
ドアを開いた。
「ちょっとおじゃまします」
上がり込んできた。
手には工具を入れてるのか、四角い箱を持ってる。
「台所はどこですか?」
その男がたずねる。
「こっちです」
男を案内しようと
先に歩いた。
その時だ。
いきなり後ろから
押し倒された。