横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
「よかった、

 瑠璃ずっと元気ないから、誘っても乗らないかと思った」


運転しながら
柊にぃは言う。


今日はくもりで
8月にしてはちょっと寒い。

でも、このワーゲンに乗るには
最適の天気かも。


「どこ行くの〜?」


あたしはまだ
夢の続きを見てるよう。

少しだるい体を
もてあましてた。


「どこでもいいよ、
 リクエストある?」

「柊にぃとなら
 どこでもいいや♪」


あの事件から…


柊にぃに甘えたかったけど、なんとなく我慢してた。

自分の中にわきあがる、こわかった記憶と戦ってた。

気が付かないうちに、男性恐怖症みたいな感じになってたのかな。


でも…

今日は
甘えてもいいかな。
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