横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
その夜---



あたしたちは海沿いの、小さなホテルに泊まった。


ちっちゃくって
レトロなホテル。

部屋とは不釣り合いなほどの、大きなベランダからは海が見えた。

あたしたちはビールを飲んで、ついでに風邪薬も飲んで



ずっと海を見てた。

抱き合って…




「瑠璃、ごめん
 オレできない」


最初、言ってる意味がわからなかった。


「オレさ、セックスできない。

 たぶん精神的なもんだと思う。ひとりでならいけるんだから。でも、誰ともしたことないんだ。」


柊にぃは話しを続ける。


「中坊ンとき
 付き合ってた女の子に誘われて…

 なのにできなくてさ。

 次の日、その子に言いふらされて、一週間後には学校中が知ってた。

 裸の女子を目の前にしても、チン○立たないヤツ って」
< 145 / 244 >

この作品をシェア

pagetop