横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
・心の闇〜柊路の話〜
「瑠璃っ!」
ホームの雑踏の中、
オレは呼んだ。
最後の望みをかけて
誰よりも愛しい
妹の名前を…
でも
気付いているはずなのに
瑠璃は振り返らない。
ウッシーにささえられて
人混みに消えた…
瑠璃、瑠璃、瑠璃
頭を抱えてうずくまる。
なぜここにいるんだ?
オレはなんて間違いを
しまったのだろう…
見送りにこなければよかった。
ひとりぼっちで街を後にする
沙也香をかわいそうに思えたんだ。
…絵なんか渡さなきゃよかった。
いや、違う。
そうじゃないんだ。
瑠璃を傷つけたのは
オレと沙也香との関係。