横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
すぐに沙也香を見つけた。

「なに?」

「いや… 元気にしてるかと思って」

「もう関係ないでしょ?」

一時はかわいいと思った
沙也香の顔は冷く引きつってる。

「牛島くん、瑠璃と付き合ってるの?」

「どうなんだろ?」

「…ふぅん」



一呼吸置いてから
諭すように言った。

「瑠璃は悪くない、
 悪いのはオレだけだ。

 だから瑠璃にいやがらせをするのは
 やめてくれ」


ちょうどウッシーに聞いたとこだった。
瑠璃にいやがらせのように
冷たくしてる女子がいる。

そのせいで学校で瑠璃は
いつもひとりでいるって。

まさかと思ったけど
そいつの名前を聞いたら
案の定、沙也香だったんだ。



「やめないわよ。あたし、
 自分がひどいってわかってる。
 でもやめない。

 それに…少々のいじわるぐらい
 瑠璃は別に平気そうよ」


そんなことない。
最近の瑠璃はずっと落ち込んでる。


「やってることは
 自分に返ってくる。

 自分が悲しくなるだけだぞ?」


オレはそう言い残して
瑠璃たちの元へ戻ったんだ。
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