横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
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オレは母さんに連れられて
船に乗った。

小さな漁船で島に渡る。

9月だというのに
きつい日射しにめまいがしそうだ。



オレは母さんの手を握った。




「大丈夫よ」



母さんはじっとオレを見て
そして、オレの頭をなでた。


「全部病気のせいだから。
 治ったら家に戻れるんだからね」


「戻らない方が
 瑠璃が戻っていいんじゃない?」


「何言ってるの、
 あの子は勝手に出ていったんだから。
 柊路が気にすることないの。

 それより余計なこと考えず
 ちゃんと治療に専念するのよ」


「母さん、ごめんな。
 いくつになっても心配かけて」


母さんはオレの肩を抱きしめた。


普通ならオレが
母さんに頼られてもいい年なのに
オレはこんなに母さんに頼ってる。
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