横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
…イヤだな

あたしってば
さっきから柊にぃのことばかり。

ウッシーと比較してる。


「はい、どうぞ。
 熱いから気をつけて」

クーラーでよく冷えた部屋で
温かいカフェオレを飲む。

だんだん落ち着いてきた。

「ごめんね、ウッシー」

よかった、ウッシーがいて。

もし、ひとりだったら…

あたしは絶望のあまり
電車に飛び込んだかも?

…それはないか。




「でもさ、今沙也香とアニキが
 付き合ってるわけじゃ
 ないんだろ?」

「うん…」

「見送りぐらい許してやれば?」

ウッシーは知らないから
言えるんだ。

あたしと柊にぃの関係。
あの絵のこと。


あたしは…
絶対許す気になんかなれない。
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