横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
しのび足で階段を下りて

顔をあげたときだった。


ッ!

目の前の居間に
柊にぃが立ってる。

あれ?
さっき1階にいたっけ?


ヒ、ヒジョーにきまずい…

なんて言おう…


あたしはそこに
立ちすくんだ。


でも柊にぃは
こちらを向いてるのに

あたしを見ていない?

視線が遠い?


そうしてるうち
こっちに近寄ってくる。


「シュウニィ…?」


しかし柊にぃは、
あたしに目もくれず
そのまま階段を上っていった。



無視されたの?

無視というより…あたしが
見えていないかのようだった。
透明人間になった気分。



柊にぃ、
なんか変…


その姿はなんていうか

まるで
亡霊のようだった。
< 188 / 244 >

この作品をシェア

pagetop