横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
あたしは腕の傷をさすった。



大丈夫。大丈夫。大丈夫…

必死で自分に
言い聞かせる。



「ふるえてるじゃないか」

ウッシーはあたしに
服をかけた。


「…あの男が…」


ウッシーには
誰のことなのか
すぐわかったようだ。


「怖い思いをしたんだもんな。
 ごめんな。

 おれ全然、そんなこと考えてなかった、

 ホントごめん!」


ウッシーがあたしを
抱きしめながら謝る。


カフェオレ入れるから…

そう言ってキッチンに行った。



ごめんウッシー…

いつもと違う
ウッシーがこわかった。

突き進んでくる。
そして、荒々しくあたしの中に
入り込もうとする欲望が怖かった。

怖いと思った感情が
あの時の、あの男を思いださせた?


柊にぃとは平気だったのに…
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