横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜

・にぎりしめてた石

次の日、

授業が終わると、携帯に残ったママからの伝言に気が付いた。

《電話下さい》

あたしは電話した。


「家に戻ってきなさい」

「いやよ、まだ帰りたくない」

「柊路はいないから」

「…なぜ?」

「戻ったら話すわ」


ウッシーに家に戻ってくると
メールを入れておく。


柊にぃ

どうしたんだろう。



家に着くと、普段なら
仕事でいないはずのママが
怖い顔であたしを待ってた。


「タダイマ…」

家出娘のあたしは決まりが悪くて、
小声でママに挨拶して
ソファーに座った。


「どう?向こうでの生活は、
 あちらさんに
 迷惑かけてない?」


「うん、大丈夫…」


ママはタバコに火をつけた。


「柊路ね、
 入院したの」


「入院!?
 どうしたの?
 どこか悪いの??」


寝耳に水だ。



でもそう言えば…

あの日、柊にぃの部屋で
薬を見つけたんだっけ…
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