横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
そして…

毎晩のように
闇をこわがる柊路を
なだめては抱いて寝た。

本を読んでやり、
絵を描かせる。

外に連れ出し遊ばせ、
光をあびせ、風を感じさせた。


そうしているうちに

柊路は少しずつ良くなってた。
一年後には話せるようになり、
笑ったり泣いたりしてた。

おばあちゃんが一番喜んだわ。

一年前には
もうこの子はダメだ、
回復はしないだろうって
そう病院で言われてたのよ。


そして吉沢が戻った。


私達は結婚した。

結婚当初はうまくいく気がした。


でも、まったく…

あの男は結婚には不向きだった。
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