横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
それから先は瑠璃が江川に
聞いた通りの話。


私が江川と再婚しなかったのは
柊路の存在が大きかったから。

一時は出ていこうとしたけど、

柊路は泣いて嫌がった。
そして夜になると奇声をあげた。


あの頃のように…


せっかく元気になったのに
私と離れたら、この子はまた
闇の世界に戻るんじゃないか…

そのことを心配した。



実際、

柊路は中学生の頃にも
様子がおかしくなったことが
あった。

ずっと誰かに見張られてる。
そんなことを言い出して
窓に黒い紙を貼り始めた。


ぞっとしたわ。

絵里子さんと同じだったから…


幸い、その時は
早く病院に連れて行ったから
薬と静養ですぐに治ったの。
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