横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜

「柊路が帰ってきたとき、
　ここが柊路にとって
　住みやすい場所にしておきたいの。

　この家は、私が柊路のために
　築き上げてきたようなものだから。


　瑠璃は、

　柊路が戻る頃までに
　自分の気持ちを
　よく整理しなさい。

　柊路が瑠璃のせいで
　気持ちをおだやかに
　ここで生活できないのは
　困るから」


「あたし、
　ここで住んでもいいの？」


「あなた次第よ、

　ケンカして、突然出ていったり
　するぐらいなら
　いっそいないほうが…」


ママは悲しく
あたしを見た。


“いないほうが…”という
ママの言葉は

ショックだ…

娘なのに…



「瑠璃も柊路も
　同じように大切。

　ただ、
　瑠璃と柊路は違うわ。

　瑠璃は多少のことなら
　乗り越えていける
　強さを持ってる。

　柊路はあの、瑠璃の事件にさえ
　心を痛めて疲労こんぱいしてたのよ」