横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
自分のことばかり必死で
柊にぃの変化に
気が付かなかった。



そう、今まで
ヒントは
いくらでもあったのに。

柊にぃの持ってた
写真、薬、デッサン…

そしてあの、
きもだめし時の
柊にぃの様子…




あたしはちゃんと見てなかった。

自分の恋に必死で

かんじんの相手を見ようとしてなかった。




「とりあえず、
 牛島くんのとこにいるならそれでもいいわ。

 柊路が帰るまでには

 家にきちんと戻るか、

 ずっと戻らないか、

 どちらかにきちんと決めたほうがいいわね」


ママは“牛島くん”って言った。

柊にぃから聞いてたんだね…行き先。

きっと柊にぃは
あたしの家出を心配するママに
ウッシーのことを説明して
安心させたんだろう。

尻ぬぐいは…
柊にぃがしてくれてた。




「わかった。

 あたし、きちんと考える…」

とりあえず家を出て、
ウッシーんちに向かった。
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