横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
パパはうなずきながら
じっくり聞いてくれた。



だいたいを話し終えた頃には
メインの子羊のステーキを
食べ終えていた。

おいしい料理の満足感と、
話し終えた解放感とで
あたしの気分は
ずい分楽になった。


「柊路くん、
 一度会ったことがある」


「そうなんですか?」


「うん…あの子ももう
 大学生か…早いね」


遠い目をした。


「それで…
 その沙也香さんのことで
 柊路くんのことが
 信じられなくて
 家出したってことだね」


「まーそんな感じです」


「腹がたったんだ」


「…はい」


言いながら、自分がすごく
小さい人間の気がした。
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