横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
「ひとりの娘の親として
 娘の幸せだけを考えて
 答えを出すとすれば、

 牛島くんにしろって言うかな」


「…なぜ?」


「苦労させたくない。

 牛島くんならこれから先、
順調に出世して、あたたかい家庭を作りそうな気がする。

 料理だって得意なんだろう?」

あたしはうなずく。


デザートの
キイチゴとチョコレートのムースが運ばれてきた。


「それが普通の幸せってやつだ。
 平凡だってバカにするやつもいるが
 当たり前のようで手に入れるのはなかなか難しい。

 実際、私には無理だった」

パパは苦笑いする。


「柊路くんと付き合うなら
 柊路くんの病気とも
 付き合う覚悟が必要だ。
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