横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
食事をおえると
パパはあたしを
タクシーで送ってくれた。

タクシーの中で
ふと思い出したように
パパが言った。


「そうだ、君の名前ね、
 柊路くんが大事にしてた
 石の名前から付けたんだよ」


「エッ?」


「いやぁ名付けたのは
 ボクなんだけど。ハハハ」


初めて聞く話だった。


「ボクのペンネームが琥珀だろ?
 だから石とか宝石とか、
 関連あるものにしたかったんだ」


琥珀って
ペンネームだったのか…
今頃知った…


「きれいなあの石、
 確かお母さんの形見って
 言ってた気がする。
 柊路くん、あの石を
 まだ持ってるのかな」


そこまで聞いたとき
タクシーは着いた。
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