横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
出航時間は…

時刻表を目で追っていると、そこにいたおじさんが声をかけてきた。


「今日はもう出んよ。
 さっきの便で終わりじゃ」


「エッ!?
 なぜですか??」


「台風がきてるんや、
 この波じゃ船が転覆するわい」


「…そんな」


あたしは絶望で
目の前が暗くなった。

来る途中、間違えて
別方向の電車に乗った。

あれさえなければ
間に合ってたかも知れない。

後悔が胸をよぎる。


ここまできたのに…


あたしは岸壁に出た。

白い波しぶきが
足にかかる。


「お嬢さん、
 あんまり海に近寄ると
 危ねぇぞー」


「次、いつ渡れます?」


「台風の速度、
 遅いみたいやから
 あさってぐらいかなぁ?」
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