横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
「んー、

 色々とね、悩みはつきない年頃なんだよ」

「男関係?」

「そんなんじゃないよ〜」


笑ってごまかす。




「今日は楽しかったか?」

「うん、みんないい人達だよね」

「オーディション終わってそのまま帰ってたら、おまえ怒ってただろぅ」

「そうでもないよ」

でも、あのまま帰ってたら…あたしはあの笑い声に凹んだまま。
苦いだけの記憶となった気がする。


柊にぃ、もしかして
気をつかってくれた?



「よし!」

柊にぃは
肩から手をはずした。


ざんね〜ん。

恋人気分だったのに。



「家まで片足で帰る!」

「はぁ?」


片足ケンケンで
歩き始めた。


「なにやってんの?
 なんのために?」


酔っぱらいのすることは、さっぱりわかんない。
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