横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
鏡を見たまま
松下麻美はしゃべる。


「昨日はごめんね、

 お兄さんのこと。
 あたし誤解してたみたい。

 お兄さんかっこいいし!ヤバイ!びっくりした。あんなヒッキー見たことないしぃ」


笑いながら
こちらを見る。


「…あたしの方こそ、なんかキツイ言い方しちゃってゴメンね」



松下麻美は
声をひそめて言った。


「あのさ、お兄さんのこと、沙也香に聞いたんだよ。
 アンタ沙也香と幼なじみらしいじゃん」


やっぱり沙也香か…


「…まあね」

「なぜ沙也香にそんなに嫌われてんの?
 あの子アンタの悪口いっぱい言ってるよ」

「…」


言葉がみつからない。


「人の好きな男を取るのが得意、だってサ」


昔、二人の間に
起きたことを思い出した。
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