横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
とりあえず、涼しそうな魚のコーナーだけ見て帰るということにした。


園内の隅にある小さな水族館は、外よりずいぶんひんやりしてる。


あたしたちはひとつずつ順番に、ガラスむこうの魚をのぞく。


うす暗い館内で、輝く青い水に魚は飛ぶように泳ぐ。


----きれいだな


コイツたち
広い海に出ることなく
ここで死んでゆくのかな


海に比べると牢獄のような水槽。でも海より安全だ。



アタシハコノ魚タチ


そんなことを考えていると、暗さにまぎれてウッシーとはぐれた。


キョロキョロ見回すと、先に行きすぎてたウッシーが後戻りしてくる。


そして

あたしの手をひいた
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