横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
あたしは状況が飲み込めないまま、江川さんの話を聞く。


「電話で美子(ヨシコ)に
 聞いたんだ。

 あの子は知ってるのか?
 
 美子は言った。
 瑠璃は知らないと思う、
 でも話してもかまわないって。
 
 そろそろ知っておいても
 いい年頃だろうって」



美子はママだ。
ヨシコなんて呼ぶぐらいだから
相当親しいんだな。


あたしはそんな見当違いのことを考えていた。


その時にはまだ
江川さんの話が
理解できてなかった。


「美子の了解を得たので
 話すことにした」


何を話す?
なんて言ってたんだっけ?
あたしが知らないことって何?
 


江川さんは一呼吸おいて
ゆっくり言った。




「君はボクの子供だ」




あたしの確かだった足元が
ぐらりとゆらめいた。
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