横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
あたしは
ひっくり返った世界の中で
息もできずにもがいた。



何?なんて言ったの?

必死で問いかける。


「はぁ?

 どういうことなんですか??

 あたしのお父さん、ってどういうこと?

 そんなこと急に言われても意味わかんないし!

 ママは?あたしのママ?」


あたしはパニック!


考えがまとまらない!
頭の中でグルグルグル…


「びっくりさせてごめん。
 君の本当の父はボクなんだ」

その言葉の意味すら
今のあたしには理解できない。


「18年前、ボクは美子と結婚するつもりだった」


ぼう然としてるあたしを前に

江川さんは語りはじめた。


それは江川さんとママの
ドタバタに終わった
短い恋の話だった。
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