横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜

・花火の夜

おだやかな夏の日が続いた。

あたしはさまよう心を
持て余してた。


CM撮影は無事終わった。
ほんの1シーンなのに
何度も取り直した。

ちょい役だったけど
きれいに化粧してもらった。

初めての撮影は
思っていたより楽しかった。


「安くてごめんなさい」
と言われてもらったギャラも
あたしには十分だった。



そんなある日のこと。


ひとり部屋にいると
ワーゲンの音がした。
柊にぃが帰ってきたのだ。

柊にぃも夏休みなので
毎日バイトに忙しい。

昼間はほとんど家にいなくて
忙しいときは泊まりで帰らない時もある。


階下から呼ぶ声がした。


「瑠璃っ！

　彼氏が来てるぞ〜っ！」


　カレシ？

　なぁに言ってるんだか。


隣のシロでも遊びに来てるのかなと
下をのぞくと


・・・！


ウッシーだ！