横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
男どもを待たせておいて、
あたしはおばあちゃんに
着つけをしてもらう。

「髪はあげておこうね」

おばあちゃんは器用に
くるくると長い髪を巻き上げ、
かんざしをさした。

青地に白い絞り模様で
所々に紅色がにじむ。

「よく似合うよ、瑠璃ちゃん
 ハデな色の浴衣が流行ってるけど
 あたしゃこういう
 すっきりしてるのが好きだね」

鏡の中の自分が
ちょっと大人びて見える。

「あの男の子もいい子じゃないの、
 今日は楽しんでらっしゃい」



二人の待つ居間のドアを開ける。

「おっ!」

「おお〜!」


二人は歓声をあげた。

「馬子にも衣装だな」

「ひど〜い!柊にぃってば!」

「すげぇ似合ってるよ」

ウッシーがまぶしそうに見る。


へへっ♪

まんざらでもない気分のあたしは
下駄を履いて先にかけだした。
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