横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
元気にかけだしたはいいが
慣れない浴衣と下駄のせいで
うまく歩けない。

柊にぃとウッシーを先に進ませ
後ろからしずしずと歩く。

二人はすっかりうち解けたようで
なにやら盛り上がってる。

「ウッシーって言うの?
 オレ、ヨッシーだし(笑)」

(いいなぁ〜男同士って…)

あたしには入りにくい雰囲気だけど
うらやましく思ってしまう。

町はいつもと違う空気がただよう。
遠くからおはやしの音が聞こえる。


昔、

よく柊にぃに連れていってもらった。

わたあめ

たこ焼き

りんごあめにいか焼き・・・

そういえば夜に花火があがるんだ。

いつだって柊にぃの手を
ギュッ って握りしめてたな。


神社に近づくにつれ
人が多くなってきた。

「おーぃ、はぐれるなよ」

少し距離が空いたので
こちらを振り返りながら
柊にぃが呼ぶ。

ウッシーも振り返る。
< 87 / 244 >

この作品をシェア

pagetop