横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
とりあえず、今日はこの状況を
楽しむことに決めた。

考えてもわからないものは
わからない。

あたしは二人の手を取ったまま歩く。

  このまま
  時間が止まればいいのに。

あたしたちはお参りをすませ
ヨーヨー釣りをしたり、
的当てをして遊んだ。

辺りはすっかり暗くなり
花火の上がる時間になった。

来たときのように
二人の腕をとる。

今日だけ・・・

そのうちどちらかに
決めなければいけない日がくる。

でも今日はこのまま。



花火の見やすい場所を探して
三人で歩く。

その時、
じっとこちらを見る
視線に気が付いた。


・・・沙也香だ。
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