横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
沙也香は立ち止まって
こちらを見ている。


冷たい視線。

あたしを見て、

柊にぃを見て、

そしてウッシーを見た。


ウッシーも沙也香に気が付いた。

とまどった表情のウッシーは
視線をはずす。

沙也香はもう一度あたしを見て
友達に何かささやいて通り過ぎた。

 ウッシーを好きなのは
 沙也香だったんだ・・・

あの視線でわかった。
あたしたちは何も見なかったように
花火の場所をみつけて陣取る。

柊にぃは
飲み物を買ってくるから、
そう言い残し人混みに消えた。



ウッシーと二人きりになる。

「さっき、加藤がいただろ」

沙也香のことだ。

「おれ、加藤に告られてサ。
 でもオマエが気になってたから
 断ったんだ」

「そうだったの…」
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