横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
「どしたの?

 ・・・柊にぃ?」


怖い

いつもの柊にぃじゃない!


あたしは押さえつけられたまま
もがいた。



腕に体重がかかる。



「ぃ、痛いよ・・・」


あたしは小さくつぶやいた。





「見たい?」

「え?」



「母親の写真見たいか?」

柊にぃの表情は堅い。

「う、うん。でも
 イヤならいいんだよ」


「どうして見たい?

 なぜ急に
 そんなこと言い出した?」



あたしは黙った。

なんて言えばいいんだろ。

あたしに流れる血、
そして
柊にぃに流れる血のルーツを
知りたくなったのかも知れない。



でもそんなこと
柊にぃには言えない。
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