私の王子様
それから少し沈黙が続き統真が話し出した。
「あのさ、俺の話聞いて?」
あたしは小さくうなずいた。
本当は聞きたくなかったのに。
「俺。真咲のこと好き」
「ずっと前から真咲だけを見てた」
やっぱり。聞きたくなかった言葉。
「嘘。あんたがあたしを好きなはずない」
あたしはなぜかそう言っていた。
もう止められない。
「あたしだって…あんたが…」
声がかすれる。あたしはそこで我に返った。
そして声を荒げて言う。
「あたしはあんたなんか嫌い。大嫌い」