Rainy day
久々に沙織と会ったのはGWだった。

俺はまだまだ入院中で見舞いに来てくれた。

「久しぶりー」

沙織は半分心配そうな様子を見せつつ、いつもの笑顔を見せてくれた。

俺も笑う。

といっても、まだ身体が回復していないので微笑むくらいしか出来ないけど。

「総一に万が一があればどうしようって思ったよ」

沙織は俺の右手を触った。

俺も軽く握り返す。

「ホント良かった」

少し、大人っぽくなった沙織は涙ぐむ。

…俺が動けたら。

今すぐ抱きしめるのに。

そんな自由な身体では、まだない。
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