Rainy day
「なかなか来れなくてごめんね!」

沙織は謝るけど、

「学校は忙しいんでしょ?」

その言葉に切なそうに笑っていた。

「課題が色々大変で…ホントごめん」

「謝ることじゃないよ」

俺はそう言った。



今日もこの後、課題の作品を撮りに行くと言ってすぐに出ていった。

外を見ると、木々は緑の葉をつけ、春から夏へ、少しずつ向かっているというのに。

自分はすべてにおいて冬真っ盛り。

まだまだ先は長そうで、バイクも、沙織も遠くに行きそうな、何とも言えない気分に陥っていた。
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