Rainy day
「長い間、すみませんでした」

翌日、店に出勤した。

「そー、あんまり無理すんなよ」

社長は俺をギュッ、と抱きしめる。

父と呼ぶには社長は若いけれど、まるで父親のように大切にしてくれる。

「リハビリも兼ねて、少しずつでいいからな」

「はい」

社長は俺の頭をクシャクシャになるまで撫でた。

俺はそれから店のメンバーみんなに挨拶をして、5ヶ月振りにバイクに触った。



病院のベッドの上で、いつも願っていた。

早くバイクに触りたい。

ようやく叶って。

思わず、口元が緩んでしまった。
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