蛍火に揺れる

*****

「何それ?!」

私が勢い良く立ち上がると、ノリ君は「沙絵ちゃん落ち着いて」と宥めてる。確かに閉店時間が迫る珈琲店は数人のお客さんしか居ないが、視線をチクチクと感じるのでぐっとこらえて座る。


いやいや、そんな

「何て面白い展開が」

「でっしょー?凄いよね」

宥めながらも、ノリ君もニヤニヤした笑顔を継続中。

 
話を大村君と菅原さんのことに戻すと……
昨日の夜は、結局何も新しい展開というのは起きず。
(いや、何かあったんだろうけど…そこは探らないでおこうとノリ君)
そして何故か元々菅原さんは、今日石見君と出掛ける約束をしていたらしい。
そしてそれを大村君は、行くなと止めることができず…という感じで、ようやくノリ君に急かされて、石見君から菅原さんを奪っていったという感じらしい。そして尻拭い的な感じで石見君と焼き肉に行っていたと。
ちなみに石見君は『一回でも菅原さんと出掛けられて嬉しかったです』と何とも健気で泣けることを言っていたそう……。
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