蛍火に揺れる

「わぁーすごい!柔らかい~!」

菅原さんもぎこちないながらもニコニコ笑顔で蛍を抱っこ。蛍は泣かないが珍しいものを見ているように、目をパチクリさせて観察しているように見える。


今日は蛍をこの二人に御披露目する日だ。

ハルさんが「美味しいもの食べな!」と、出産祝いを兼ねておごってくれることになったのだ。それで菅原さんも誘って、三人で食事をすることに。ちなみにノリ君…と大村君は休日出勤中である。

ハルさんセレクトの店はさすがと言うべきか。
子連れのイベント事にも慣れているらしく、個室にはミルク用のお湯に子供を寝かせるクーハンも完備。
お食い初めのコースもあるとのことで、ちゃっかりと候補に入れておくことにした。


「しかしどうよ沙絵?寝れてる?」

「もう本当にマジで寝れないわ……」

ハルさんの問いかけに、思わず頭を抱えて唸る。

最近はいくばかマシになったものの、二時間続けて寝れたらラッキーな状況。
あぁこれか、お母さんの言ってた休む暇かないとは……。
< 146 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop