蛍火に揺れる
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楽しい時間はあっと言う間に終わってしまい、気付けば二時間が経過。名残惜しいが解散の時刻になった。
店を出て、駅までの道をベビーカーを押して三人で歩いていく。
「あ、ノリ君からだ」
携帯のバイブが震え、ノリ君からメッセージが届いた。
「何…あ、大村君とこっち来るってさ」
「え?そうなんですか?」
菅原さんも慌てて携帯を確認している模様。
仏頂面で何やらメッセージを打っているので、何か大村君はしでかしているらしいが。
「……菅原さん、何て?」
「いえ、別に何でもないですよ?」
しれっと笑顔に戻って、何もなかった感じに戻る菅原さん。
(あーこういうとこかぁ…大村君)
恐らくだけど、こういう彼女の『一切見せない』部分が大村君は不安なのかもなー、なんて。
まぁあんなイケメンが良いように転がされて、狼狽えてればいいか…と心のなかでほくそ笑んでいるのは私だけだろうか、なんて。そんなことを思ってみたり。