蛍火に揺れる
そして二人は別れの挨拶をして、改札へと消えていった。「今から六本木で映画」らしい。
並んで歩く二人の後ろ姿は、なんだか可愛いものを見せられた。そんな気分にさせられる。
「さーて、私も帰りますかー」
そしてハルさんもカバンの中から、定期を取り出した。
「ハルさん、ホントにありがとう。楽しかった」
ハルさんははにかみながら「いやいや、元気な沙絵に会えて良かった」と。
そして一歩踏み出そうとしたところでー「そうだ」と言って振り返った。
「沙絵、もう仕事に未練はない?」
そう問いかけられてー少し、考える。
仕事の話を聞くと、やっぱり楽しそうだなと思う面もある。
でも今は……仕事に行くよりも、大切なことがひとつだけある。
「思わないことはないけど、今は蛍と一緒に居たい」
そう言うと「そっか」と。
ハルさんは安堵した表情を浮かべて、手を振りながら改札へと吸い込まれていった。「またいつでも呼んでね」と言い残して。
並んで歩く二人の後ろ姿は、なんだか可愛いものを見せられた。そんな気分にさせられる。
「さーて、私も帰りますかー」
そしてハルさんもカバンの中から、定期を取り出した。
「ハルさん、ホントにありがとう。楽しかった」
ハルさんははにかみながら「いやいや、元気な沙絵に会えて良かった」と。
そして一歩踏み出そうとしたところでー「そうだ」と言って振り返った。
「沙絵、もう仕事に未練はない?」
そう問いかけられてー少し、考える。
仕事の話を聞くと、やっぱり楽しそうだなと思う面もある。
でも今は……仕事に行くよりも、大切なことがひとつだけある。
「思わないことはないけど、今は蛍と一緒に居たい」
そう言うと「そっか」と。
ハルさんは安堵した表情を浮かべて、手を振りながら改札へと吸い込まれていった。「またいつでも呼んでね」と言い残して。