蛍火に揺れる

こんな可愛い子が後輩とは、羨ましい。


「ハルさんいいなー、あんな子つけてもらって」

「うん、結構要領も良くて教えがいがある子なんだよね。
　でも一つ懸念材料が」

「懸念材料？」

「沙絵と一緒のニオイがする」

「何が？」

「ダメ男ホイホイマシーン」

その言葉に盛大に吹き出しずっこける。
いくらなんでも…それは酷くないだろうか。


そんなブフォっと少し吹き出した私を見て、呆れたようにため息をつくハルさん。

「沙絵も見た目は小柄で従順そうだもん。ま、性格がキツいところあるから篩にはかかるけどさ。
　でも菅原さんは…ホントに押しきられそうだよね」


あぁやっぱりか…と私も思う。

何だろう、ちゃんと守ってあげないと的な何かが掻き立てられる子ではあるが…それによって見事に騙されそうな子ではあるな…とは。

そして案の定…とは言っては何だが、ハルさんは外野からの集中攻撃に合うことになる。

「ちょっと木岡さん！あの子、新人？」

「誰かなー？旧姓で呼ぶデリカシーの無い人間は」