蛍火に揺れる
ノリ君はニコニコしながら私達に話しかける。
「何か二人、顔が暗いですけど何かありました?」
「あのねー江浪君、沙絵が彼氏と別れたって話」
「ちょ!言わなくていいじゃない!!」
私はハルさんを揺さぶる。何を言ってくれてるんだと。
しかし彼は意外とー「良かった」と呟いた。
「良かったって何が?!」
「いや、僕気に入らなかったんですよ。何か高級そうな物強請って、わがままそうだったから」
気に入らないって何であなたが言うのか。
眉間に皺がピクピクと寄り始める。
そんな怒りが溜って行く私に対して、彼はにこやかな笑顔でこう言った。
「これで堂々と告白できます。伊藤さん、僕と付き合ってください」
時間は昼休み半ば過ぎ。人がごった返す食堂。
うちの会社の人達が、一斉にこちらに注目している。
告白している人物は、六期も下の元部下。
エリートで人望があるし、青田買いだと狙う女性も数多い。
そんな彼に付き合ってと言われているこの状況は……
「詐欺かしら?江浪君」
「何でそうなるんですか!?」
「何か二人、顔が暗いですけど何かありました?」
「あのねー江浪君、沙絵が彼氏と別れたって話」
「ちょ!言わなくていいじゃない!!」
私はハルさんを揺さぶる。何を言ってくれてるんだと。
しかし彼は意外とー「良かった」と呟いた。
「良かったって何が?!」
「いや、僕気に入らなかったんですよ。何か高級そうな物強請って、わがままそうだったから」
気に入らないって何であなたが言うのか。
眉間に皺がピクピクと寄り始める。
そんな怒りが溜って行く私に対して、彼はにこやかな笑顔でこう言った。
「これで堂々と告白できます。伊藤さん、僕と付き合ってください」
時間は昼休み半ば過ぎ。人がごった返す食堂。
うちの会社の人達が、一斉にこちらに注目している。
告白している人物は、六期も下の元部下。
エリートで人望があるし、青田買いだと狙う女性も数多い。
そんな彼に付き合ってと言われているこの状況は……
「詐欺かしら?江浪君」
「何でそうなるんですか!?」